研究室の動き
2020年度(令和2年度)
2019年度(平成31年・令和元年度)
5月
- 井上侑哉が助教として着任した.
- 郑天雄(D1)が,中国四国植物学会(広島大学)にて,優秀発表賞(ポスター発表部門)を受賞した(5月11日).
6月
- 京セラドーム大阪で開催された天下一植物界に嶋村正樹が参加し、講演を行った(6月22〜23日).
7月
- マドリッドで開催されたIAB iMOSS SEB 2019 conferenceに井上侑哉が参加し,研究発表を行った(7月9〜12日).
8月
- 末次健司博士(神戸大学)が集中講義のため来訪(8月7〜9日).
- 宮崎県総合博物館で開催された「服部植物研究所・コケの日」のイベントで井上侑哉が講演を行った(8月10日)
- 日本蘚苔類学会福岡大会に参加 27日〜29日,井上侑哉,鄭天雄,西畑和輝,天本匡宥,中西花奈が研究発表を行った.鄭天雄が優秀発表賞(ポスター発表部門)を受賞した(8月28日).
9月
- 日本植物学会第83回大会に参加 15日〜17日,嶋村正樹,橋本 環,月山浩太が研究発表を行った.
- Marchantia Workshop 2019に参加 17日〜19日,嶋村正樹,鄭天雄が研究発表を行った.
- 渡邊 雄一郎先生(東京大)、濱田 隆宏先生(岡山理科大)、荒木 崇先生(京都大)との共同研究が、Current Biologyに掲載されました。ゼニゴケにおいて、マイクロRNAによる標的転写因子の発現制御が生殖成長期への移行を決定していることを明らかにしました。プレスリリースはこちら。
11月
12月
- ヒコビア忘年会開催(12月7日)
- "HIKOBIA18巻1号"を刊行.
- 楢本悟史先生、経塚淳子先生(東北大)らとの共同研究の論文がPLOS Biologyに掲載されました。ゼニゴケを裏返すとみられる、小さな葉のような組織「腹鱗片」でも、陸上植物の葉的器官形成に関わる共通の遺伝子であるLOS1が発現していました。陸上植物の「葉」は植物の系統毎に収斂進化で獲得された器官とされますが、共通の分子機構もあるようです。プレスリリースはこちら
3月
- Peter Szövényi 先生(Zurich-Basel Plant Science Center)、榊原恵子先生(立教大学)、西山智明先生(金沢大)、Fay-Wei Li 先生(コーネル大) らとの共同研究によるツノゴケゲノム論文がNature Plantsに公開されました。プレスリリースはこちら
- 西浜竜一先生、鈴木 秀政さん、河内孝之先生ら京都大学、Jill Harrison先生(Brystol大学)との共同研究の論文が、Journal of Plant Researchに掲載されました。コケ植物において葉などの側生器官は、メロファイトとよばれる細胞分裂系譜を共にする細胞群を単位として発生します。しかし、ゼニゴケの無性芽器は、細胞分裂系譜とは無関係に、植物体上での位置情報を頼りに形成されることを明らかにしました。
2018年度(平成30年度)
5月
6月
- リスボンで開催されたEMBOワークショップ New shores in land plant evolution に嶋村正樹とDiana Riosが参加し、研究発表を行った (6月20〜23日)
8月
- 日本蘚苔類学会富山大会に参加 27日〜30日,嶋村正樹,西畑和輝,中西花奈が研究発表を行った.
9月
- 広島国際会議場で日本植物学会第82回大会を開催した.(9月13日〜16日)
山口富美夫(大会会長),嶋村正樹(実行委員長)
10月
- 香川県小豆島で行われた新学術領域研究「植物多能性幹細胞」若手ワークショップに嶋村正樹と月山浩太が参加し研究報告を行った.(10月4日〜6日)
11月
- 奈良先端大学で開催された植物細胞骨格研究会に嶋村正樹が参加し研究発表を行った.(11月13日)
12月
1月
- 陸上植物に共通した性分化制御遺伝子FGMYBに関する中島敬二教授・久永哲也博士(奈良先端大)らとの共同研究がEMBO Journalに掲載されました。ゼニゴケは、FGMYB遺伝子をつくるDNA二本鎖の表側と裏側を巧妙に使い分け、これを雌雄の性差を生み出すスイッチとして利用しています。
2月
- 11〜17日,嶋村正樹が共同研究のため河内孝之博士,西浜竜一博士(京都大学)とともにブリストル大学(イギリス),ワーゲニンゲン大学(オランダ)を訪問.
3月
- 首都大学東京で開催された日本植物分類学会.郑天雄(M2)が研究発表を行った.
2017年度(平成29年度)
5月
7月
- 11〜17日,嶋村正樹が共同研究のため西浜竜一博士(京都大学)とともにブリストル大学訪問(イギリス)
8月
- 日本蘚苔類学会群馬大会に参加 29日〜31日,郑 天雄(M1)が優秀発表賞(ポスター部門)を受賞
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日本蘚苔類学会優秀発表賞賞状 学会賞,若手奨励賞も同じデザイン(2017年8月30日) |
9月
12月
2016年度(平成28年度)
5月
6月
- ウィーンで開催されたEMBOワークショップ New model systems for early land plant evolution に嶋村正樹が参加し、研究発表を行った (6月22〜24日)
8月
- 塚谷裕一博士(東京大学)が集中講義のため来訪(8月8〜10日)
- 濱田隆宏博士、都築正行博士、二神和敬さん(東京大学)が共同研究のため来訪(8月5〜9日)
- 日本蘚苔類学会屋久島大会に参加(8月29〜31日)
9月
- 南アルプス北岳周辺で蘚苔類の調査を行った(9月8〜13日)
- 日本植物形態学会(沖縄)に参加・研究発表(9月15日)
- 日本植物学会第80回大会(沖縄)に参加・研究発表(9月16〜19日)
- 植物若手研究会(広島大崎上島)に参加・研究発表(9月29日〜10月1日)
10月
- 郑天雄(北京師範大学とのダブルディグリー)が研究室に配属(10月1日)
- 「苔の勉強会(日本蘚苔類学会青空教室)」乗鞍自然保護センター 講師: 嶋村正樹 (10月24日)
- 新学術領域「植物発生ロジック」若手ワークショップ・数理モデル研究会に参加・研究発表(10月31日〜11月2日)
11月
- 植物細胞骨格研究会(東京)に参加・研究発表(11月18〜19日)
12月
- 平川有宇樹博士(名古屋大学)が共同研究のため来訪(12月3日)
- ヒコビア忘年会(12月3日)
- HIKOBIA 17巻2号を発行(12月28日)
3月
2015年度(平成27年度)
4月
5月
- 経塚淳子博士(東北大学)が共同研究のため来訪(5月12〜13日)
- 野村佳織(M2)が中国四国植物学会において,優秀発表賞(ポスター発表部門)を受賞した(5月17日)
7月
- 坂山英俊博士(神戸大学)が集中講義のため来訪(7月27-29日)
8月
- 日本蘚苔類学会北八ヶ岳大会に参加.野村佳織(M1)が優秀発表賞(ポスター部門)を受賞した.
- 南アルプス北岳周辺で蘚苔類フロラ調査を行った.
9月
- 秋山弘之博士(兵庫県立大学)とThien Tam Luongさん(University of Science, Ho Chi Minh City)が標本調査のため来訪(9月21日〜22日)
- 日本植物学会大会に参加.
- 南アルプスで蘚苔類フロラ調査を行った.
10月
- 山口,キム,佐藤が韓国済州島での蘚苔類調査(10月29日〜11月3日)
- Eftychis Fragedakis博士(東京大学)が来訪(10月23日〜24日)
- Eugene Borovichev博士(Polar-Alpine Botanical Garden & Institute)が標本調査のため来訪
(10月4日〜10日)
11月
- 東北大学の楢本悟史博士,経塚順子博士,神戸大学の石崎公庸博士が共同研究のため来訪.楢本悟史博士によるセミナーを開催した.演題:小胞輸送制御因子とオーキシン排出担体 PIN による植物細胞の極性形成機構.
12月
1月
- 新学術領域研究「植物発生ロジック」成果報告発表会 (1月19日)
2月
- 山本航平さん(信州大学)が研究打ち合わせのため来訪(2月22日)
3月
3月
広島大学国際シンポジウム The 2nd Hiroshima International Symposium on Future Science (Hi-SFs 2016)に嶋村正樹が参加し、研究発表を行った。
2014年度(平成26年度)
4月
- Jose David Orgaz Alvarezが博士研究員として着任した
- フランス国立自然史博物館のStephan Robbert Gradstein博士が研究室を訪問した(4月3日〜8日).
8月
- 福島県南会津郡燧ヶ岳周辺地域で蘚苔類フロラの調査を行った。
- 日本蘚苔類学会第42回青森大会において,片桐知之特任助教が日本蘚苔類学会奨励賞を受賞した
9月
- 石崎公庸博士(神戸大学)が集中講義のため来学し,滞在した(9月3〜5日)
- 伊村智博士(国立極地研究所)が集中講義のため来学し滞在した(9月17〜18日)
10月
- Vadim Bakalin博士(ウラジオストック植物園)が共同研究のため滞在(10月7〜13日)
- 厚井聡博士(大阪市立大学)が共同研究のため滞在(10月24〜30日)
11月
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広島大学理学部公開でのコケ玉教室開催(2014年11月1日) |
12月
- 出村 拓 博士 (奈良先端科学技術大学院大学)らが来訪.セミナーを開催した(12月17日)
- 厚井聡博士(大阪市立大学)が共同研究のため滞在(12月15〜22日)
1月
- 経塚淳子博士(東京大学)石崎公庸博士(神戸大学)が共同研究のため来訪.セミナーを開催した(1月19日)
2013年度(平成25年度)
4月
- 山口富美夫が教授に昇任し、片桐知之が特任助教として採用された.
7月
- 群馬県片品村至仏山周辺地域で蘚苔類フロラおよび生態学的研究を行った。
8月
- 日本蘚苔類学会大会にて研究発表を行った。M2学生大西弥真人は大会発表賞 (ポスター発表部門)を受賞した。発表題目「セン類ヨツバゴケとアリノオヤリの交雑に関する遺伝学的解析」
9月
10月
- Laura Concostrina-Zubiri博士(Rey Juan Carlos大学)が来訪。セミナーを開催(10月24日)
11月
- 出口博則名誉教授が第70回中国文化賞(中国新聞社)を受賞した。
3月
- 嶋村正樹は細胞生物学研究室と共催で,細胞分裂に関する国際シンポジウムを開催した。動物/菌類/植物/藻類など研究材料を問わず,細胞分裂の研究をしている国内外の研究者に最新の研究成果を紹介して頂いた.会期:3月24-25日
広島大学国際シンポジウム「International Symposium on the diversity of cell division system in eukaryotes(真核生物の細胞分裂機構の多様性)」
2012年度(平成24年度)
5月
- 荒木崇博士,酒井友希博士(京都大学)が共同研究のため来訪した(5月24日)
- 石崎公庸博士(京都大学),中川知己博士(明治大学)が来訪.セミナーを開催した(5月29日).
7月
- トヴェリ大学理学部のUliana Spirina博士が、嶋村正樹との共同研究のため、客員研究員として滞在した(7月2日〜8月31日まで滞在)。共同研究題目:コケ植物セン類の分枝に関する形態学的・細胞生物学的研究.
9月
- 嶋村正樹と榊原恵子がオーガナイザーとなって、日本植物学会第76回大会(兵庫県立大学)にてシンポジウム「コケ植物研究の新展開〜植物進化のパラレルワールドへようこそ〜」を開催した。演題と講演者は以下のとおり。
1.パラレルワールドの植物形態学 嶋村 正樹(広島大・院・理・生物科学)
2.ゼニゴケで探るコケ植物の光応答と発生制御 石崎 公庸, 河内 孝之(京都大・院・生命科学)
3.フタバネゼニゴケが紐解く植物−微生物間相互作用の進化の歴史〜防御と共生の起源を探る〜中川 知己(明治大・研究知財戦略機構)
4.銅苔の生き様からみるコケ植物の無性生殖を駆使した生存戦略の多様性 野村 俊尚1, 榊原 均1,馳澤 盛一郎2(1理研・植物科学研究センター, 2東京大・院・新領域)
5.南極の湖沼に生きるコケ坊主の正体とその起源を追って 加藤 健吾1, 伊村 智2,神田 啓史2(1総研大・極域科学, 2極地研)
6.ヒメツリガネゴケ研究からみえてきた陸上植物の茎葉進化 榊原 恵子(広島大・院・理・生物科学)
1月
- 嶋村正樹は、「組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」の支援を得て米国に滞在し、ルイジアナ大学のRoy Brown博士、南イリノイ大学のKaren Renzaglia博士との共同研究を行った(1月6日〜3月7日まで滞在)。共同研究題目:コケ植物タイ類の中心体様構造の微細形態学的研究
2月
- 榊原恵子、出口博則らを中心とした研究グループの、陸上植物の世代交代を制御する「KNOX2遺伝子」に関する研究成果がScience誌に掲載された(オーストラリア・モナシュ大学、基礎生物学研究所との共同研究)。
3月
- 出口博則先生最終講義(15日)
- 出口博則先生退職祝賀会(30日)
- 榊原恵子は,東京大学助手として転出した.
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出口博則先生退職祝賀会にて(2013年3月30日) |
2011年度(平成23年度)
4月
7月
- オーストラリア・メルボルンで開催された国際植物科学会議(IBC2011)に嶋村正樹、D2学生片桐知之,M2学生定光淳,M1学生小杉一誠が参加し,研究発表を行うとともに、国際蘚苔類学会の集会に参加し,情報交換を行った。
8月
- 植物機能生理学研究室の古本強准教授を中心とした研究成果,すなわち葉緑体の包膜に存在するピルビン酸輸送体のタンパク質分子とその遺伝子の同定に世界で初めて成功したことが,「Nature」誌に掲載された。この論文には嶋村正樹も共著者として参加し,ピルビン酸輸送体の葉緑体包膜への局在を可視化する顕微鏡技術で貢献した。
- 北アルプスの雲ノ平とその周辺地域,広島県帝釈峡,沖縄県西表島,鹿児島県徳之島などで蘚苔類フロラおよび生態学的研究を行った。
10月
- D2学生片桐知之が「若手研究者のための組織的な若手研究者等海外派遣プログラム」に採択された。2011年10月10日から12月20日にかけてフランス・パリの国立自然史博物館およびスイス・ジュネーブの植物標本庫・植物園で苔類ムクムクゴケ科の研究を行った。
2010年度(平成22年度)
4月
- 外国人客員研究員としてLee Gaik Ee氏が滞在(4月14日〜7月10日)
8月
- 北アルプスの雲ノ平とその周辺地域,広島県帝釈峡などで,蘚苔類フロラおよび生態学的研究を行った。
9月
- ヒコビア会(会長:出口博則;事務局:植物生物学講座植物分類・生態学研究室)は1977年6月以降の33年間ほぼ月1回,定期的に植物野外観察会を行い,2010年に通算開催回数500回を数えた。植物研究の人材の育成ならびに地方における植物学の啓蒙活動に顕著な貢献をなしてきたことが,高く評価され,植物生物学講座植物分類・生態学研究室と附属宮島自然植物実験所とが共催する「ヒコビア植物観察会」が,第7回日本植物学会賞特別賞(教育)を受賞した。
11月
- ヒコビア会が広島大学長賞を受賞した(2010年11月24日)。
- 外国人客員研究員としてGustini Ekowati氏が滞在(12月12日〜1月12日)
2009年度(平成21年度)
- 分類学的問題が残され、系統学的位置付けが不十分と考えられているハイゴケ目、シラガゴケ科、トラノオゴケ科、フタマタゴケ目、閉鎖果蘚類などの蘚苔類のグループについて、系統・分類学的研究を行った。その結果、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡による観察によって、新たな分類形質を見出すとともに、分子系統学的解析を行い、各蘚苔類グループの系統的位置付けを明らかにした。
- 火山列島北硫黄島を含む小笠原諸島、南アルプスの石灰岩地、福岡県古処山・英彦山などにおいて、蘚苔類フロラおよび生態学的研究を行った。北硫黄島における野外調査は、本格的な蘚苔類フロラに関する調査としては初めてのものであり、同島新産の興味深い種を多数見出すことができた。南アルプスの調査では日本新産・希産の複数の苔類を発見した。古処山・英彦山では希少種の分布と生態を明らかにした。
- ツノゴケ類としては例外的に細胞内に複数の葉緑体をもつアナナシツノゴケについて、減数分裂時の葉緑体の動態を明らかにした。一般的に、ツノゴケ類は胞子毋細胞に一個の葉緑体をもち、葉緑体が4つに分裂した後、核分裂がおこるが、アナナシツノゴケでは葉緑体が8個に分裂した後、核分裂が開始している例が見られた。
- コケ植物の中で、例外的に4本鞭毛を持つことが知られているケゼニゴケの精子の中心体や中心小体の数や挙動を明らかにした。精母細胞の間期では、γチューブリン抗体によって認識される球状のMTOCの数は、1個から4個で、まれに5個の場合があった。精母細胞中に4個以上の球状のMTOCが存在することは、精細胞に複数の中心体が配分されることを示唆する。コケ植物の鞭毛数の増加には、シダ植物や裸子植物とは異なる機構が関与していると考えられた。
- 研究室スタッフと学生の調査研究により、南アルプス、小笠原諸島を含む国内から約7,000点の蘚苔類標本を採取し、標本庫に収納した。タイプ標本を含む蘚苔類標本の国内外への貸出件数は7件であった。また、交換・寄贈標本として、Bryophytes of Asia, fasc. 16を国内外の43研究機関に配布した。これらを含めた収蔵標本の体系的管理に向けたデータベース構築と研究を行った。
- 標本整備作業補助員を雇用し、鈴木兵二博士のミズゴケ科コレクション約10,000点については、劣化した旧標本袋を新規標本袋ならびに中性紙を用いた標本ラベルに取り替えを行った。標本ラベルは旧標本袋に印刷された和文表記の標本情報を和英併記に換え、国際的活用可能な様態に調整された。その他、堀川芳雄博士苔類コレクション約7,000点と安藤久次博士ハイゴケ科コレクション約12,000点の主に手書き,和文による標本データを広島大学植物標本庫データベース(HIROCOLL)に登録するとともに、堀川コレクションについては新規標本袋への入れ替え、新規ラベルへの更新を行った。
2008年度(平成20年度)
- 分類学的問題が残され,系統学的位置付けが不十分と考えられている蘚類のハイゴケ目の諸科,シッポゴケ目のシラガゴケ科,イヌマゴケ目のトラノオゴケ科,,イチヅチゴケ目のイシヅチゴケ科苔類のフタマタゴケ目の諸科,などの蘚苔類のグループについて,系統・分類学的研究を行った。その結果,光学顕微鏡,走査型電子顕微鏡による観察によって,新たな分類形質を見出すとともに,分子系統学的解析を行い,各蘚苔類グループの系統的位置付けを明らかにした。また,日本産苔類ムクムクゴケの分類学的研究を行い,日本新産種ハネムクムゴケの形態,分布,生態を明らかにした.
- 形態学的研究として単色素体を示す蘚苔類の網羅的研究に着手し,従来ごく限られた群にしられていた本特徴は,蘚類では比較的幅広い分類群にも見られることを明らかにした.
- 屋久島,小笠原諸島,中国アルタイ山脈,インドネシア東カリマンタン,南極キングジョージ島などにおいて,蘚苔類フロラおよび生態学的研究を行った。北海道,福井,中国アルタイ山脈での研究については,フロラを明らかにするとともに,分類・地理学的に興味深い複数の種を見出した。その他の地域についての研究は,現在も継続中であるが,新種,その地域での新産種などを発見し順次公表した。
- 研究室スタッフと学生の調査研究により,琉球列島,北海道,小笠原諸島を含む国内から11,400点,韓国,中国,ロシア,マレーシア,インドネシア,パプアニューギニア,オーストラリア,ニューカレドニア,ハワイ,チリ,南極(キングジョージ島),オーストリアなどの国外から2,400点の蘚苔類標本を採取し,標本庫に収納した。タイプ標本を含む蘚苔類標本の国内外への貸出件数は22件であった。また,交換標本として,国内外へ41件配布するとともに,20件の標本を受け入れた。これらを含めた収蔵標本の体系的管理に向けたデータベース構築と研究を行った。
2007年度(平成19年度)
10月
- マレーシアより博士課程(後期)学生としてQuistina Latiffが入学し,研究活動を開始する.(2008.3退学)
8月
- 京都市で開催された日本蘚苔類学会第36回大会において研究発表を行った.
- 山口富美夫准教授は中国新疆自治区アルタイ山系で新疆大学講師の買買提明・蘇來曼氏と共同で蘚苔類調査を実施.
- 山口富美夫准教授はインドネシアで蘚苔類の調査を実施した.
- 山口富美夫准教授は屋久島で蘚苔類の調査を実施した.
7月
- マレーシア・クアラルンプルで国際蘚苔類学会大会(World Conference of Bryology 2007: International Bryological Society)に研究室教員・院生が参加(出口博則・山口富美夫・嶋村正樹;蔭西知子・桝崎浩亮)し,研究発表4件(すべて口頭発表)を行なう.ポストコングレスツアーとして,桝崎はボルネオ島のキナバル山で標本収集を行なった.学生2名は理学研究科の大学院生海外派遣支援経費による旅費の支援を得て参加した.
7月
- 熊本大学の高宮正之教授,集中講義(理学研究科・理学部)「羊歯植物分類学」のために来広,研究室スタッフと交流.
2006年度(平成18年度)
9月
- 熊本県熊本市で開催された日本植物学会第70回大会において研究発表を行った.
- 出口博則は,中国河北師範大学および新疆大学で蘚苔類学の講義を行なった.河北師範大学生命科学学院名誉教授となる.また,新疆大学買買提明・蘇來曼助教授とアルタイ山脈の蘚苔類の共同研究を行った.さらに,同助教授とトルファン地域および天山山脈第一号氷河周辺で蘚苔類を調査した.
- 山口富美夫は,インドネシアにおいて調査を行なった.
2006年8月
- 宮崎県高鍋町で開催された日本蘚苔類学会第35回大会において研究発表を行った.
2006年7月
- 山口富美夫は,屋久島において調査を行なった.
- 東京大学の野崎久義教授,集中講義(理学研究科・理学部)「藻類系統分類学」のため来広,研究室スタッフと交流.
2006年6月
2006年4月
- 九州東海大学より星助教授が研究室を訪れた.
- 学部卒業生に麻生佳孝,菊川信人,津島尭也,安原隆史が新たに配属された.
- 園山和志が博士課程前期に,桝崎浩亮が博士課程後期にそれぞれ進学した.
- 嶋村正樹は,広島大学大学院理学研究科生物科学専攻 植物生物学講座 植物分類・生態学研究室の助手に着任した.
- 坪田博美は,広島大学大学院理学研究科附属宮島自然植物実験所に助教授として移動した.
2006年3月
- 沖縄県で開催された日本植物分類学会において研究発表を行なった.
- 学部卒業生4名のうち,園山和志と西澤俊孝は広島大学大学院博士課程前期に進学し,徳納真高は横浜国立大学大学院に進学し,奥橋正規は就職した.
- 博士課程前期2名のうち,桝崎浩亮は広島大学大学院博士課程後期に進学し,マムティミン・スライマンは帰国して新疆大学で教鞭をとることになった.
- 博士課程後期の高橋奏恵が学位取得後,秋田県立大学でポスドクとして採用された.
2006年2月
- 山口富美夫は,南極において蘚苔類の調査を行なった.
2005年12月
- 坪田博美は,横浜国立大学のグループと共同でケニアにおいて蘚苔類の調査を行った.
2005年11月
- 坪田博美と小栗恵美子は,タスマニア大学のDalton博士と共同でオーストラリアにおいて蘚苔類の調査を行った.
2005年10月
- 出口博則と坪田博美,マムティミン・スライマンは,中国で開催された国際シンポジウムに参加し,研究発表を行った.
2005年9月
- 米国カリフォルニア・バークレイ校よりEric氏が来日し,蘚類の調査・採集を行った.
2005年8月
- 福井県越前町で開催された日本蘚苔類学会大会において研究発表を行った.
2005年7月
- 出口博則と坪田博美,高橋奏恵,小栗恵美子,蔭西知子は,オーストリア・ウィーンで開催されたIBCに参加し,研究発表を行った.
2005年6月
2005年5月
- 植物学会中国四国支部岡山大会において研究発表を行った.
2005年4月
- 学部卒業生に園山和志,高山亜衣,徳納真高,西澤俊孝が新たに配属された.
- 横山勇人が博士課程前期から入学した.
- 中国河北師範大学より趙建成(Zhao Jian-cheng)教授が研究室を訪れ,Bryum属の標本について研究を行った.
2005年3月
- 博士課程前期の佐藤裕幸は広島県で就職し,田澤聡は高知県で就職した.
- 研究生の田中敦司は東京都で就職した.
- 山口富美夫はパプアニューギニアで蘚苔類の調査を行った.
- 日本植物学会高知大会において研究発表を行った.
2005年1月
2004年12月
- 坪田博美は文部省海外学術調査(代表者:出口)でセッペルト教授・ダルトン講師の協力を得て,オーストラリアタスマニアで蘚苔類の調査を行った.
2004年10月
2004年9月
- 日本植物学会大会において研究発表を行った.
- 出口博則と坪田博美がドイツで開催された国際シンポジウムにおいて研究発表を行った.
2004年4月
- 榊原恵子が学術振興会特別研究員として採用された.
- 中国新疆大学よりマムティミン・スライマンが博士課程前期に入学した.
2004年3月
- 学部卒業生3名のうち,国村明生と田川香菜子は広島県で高等学校教師として採用され,蓮井由紀子は広島大学大学院に進学した.
- 博士課程前期の小栗恵美子は広島大学大学院に進学し,柏原真理子は広島大学大学院の研究生となった.
- 博士課程後期の中原美保は学位取得後,広島大学に在籍するとともに広島県で中学校教師として採用された.
- 有川智己は,慶応大学助手として転出した.
2003年5月
- 坪田博美は,文部省海外学術調査(代表者:井鷺)でデイビット教授の協力を得て,オーストラリア北西部で蘚苔類の調査を行った.
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